シナリオセンター課題:魅力ある男:「ミスター流音寺」


二面性が描けてない。書くの難しかったやつでした。
タイトル
ミスター流音寺
登場人物
流音寺清彦(35)会社役員

立花進(42)流音寺の上司
長谷川祥子(27)流音寺の部下
流音寺和歌子(37)流音寺の妻

イータンジー(20代)宇宙人
大統領(70)
本文
○オフィス街
高層ビルが立ち並ぶ。
上空を見上げる流音寺清彦(35)。
紺色の細身のスーツ。
上空には巨大なUFO。
薄黒い円盤、大量の窓、低い機械音。
UFOからスポットライトのような光が放たれ、流音寺が照らされる。
UFOに吸い込まれていく流音寺。

○オフィス・役員室
立派なデスクに立花進(42)。
悲痛な表情。
T「流音寺さんの上司 立花進さん」
立花「ええ、流音寺君はとても優秀でした。異例のスピードで出世もしていましたし。仕事ぶりは完璧で、当社としても大変な損失ですね、あ、でも意外な一面というか趣味もあって、彼は……」

○(回想)オフィス・会議室
流音寺と立花が座っている。
窓からビジネス街が見える。
デスクには資料が置かれている。
流音寺「以上が、社長にプレゼンする来期計画となります」
立花は手元の資料を見直す。
立花「さすがだな。そうだな……予期せぬメンバー欠員などが起こった場合は?」
流音寺「はい、欠員リスクに備えては、開発作業においてバッファー時間の確保と、人員が欠けてしまった場合に備えて、少し手間はかかりますが極力、属人性を取り除くような進め方を計画しています」
立花「完璧だな。これらなら社長も満足するだろう。流音寺君が私を追い越すのも時間の問題だな」
流音寺「いえいえ、立花さんの指導のおかげです。本当にありがとうございます。これからもご指導、よろしくお願いいたします」
流音寺は窓の外をチラっと見る。
急に立ち上がり窓に駆け寄る流音寺。
驚く立花。
流音寺「ウソだろ。クロツラヘラサギだ」
立花「ん? なんだって?」
流音寺は窓に顔をギリギリまで近づけたまま話す。
流音寺「クロツラヘラサギです。絶滅危惧種の。世界にだって3000羽程度しかいない渡り鳥です。なんで、ここに……。いや、でもラッキーですね、こんなところでクロツラヘラサギが見られるなんて」
嬉しそうに話し続ける流音寺。

○オフィス・フロア
デスクに長谷川祥子(27)。
T「流音寺さん同僚 長谷川祥子さん」
祥子「なんで、流音寺さんが、という想いです。あ、はい、流音寺さんは理想の上司でした。本当に優しいし、でも、きちんと注意もしてくれるし、メンバーのこと本当によく考えてくれていました。でも、近寄りがたいとかは全然なくて。ほんと、私の理想の上司、不動の1位でした」

○(回想)公園
雪が舞っている。
ベンチに祥子、泣いている。
流音寺が現れて祥子の隣に座る。
流音寺「はい」
缶コーヒーを祥子に渡す。
祥子は受け取り、頬に当てる。
祥子「暖かい……」
流音寺は自分の缶コーヒーを振る。
祥子「すみませんでした」
流音寺「うん? コーヒーが?」
祥子「そうではなく、私のせいでお客様……」
流音寺「うーん、調査が足りなかった点はあったと思うし、それをお客様が不安に思うのもしかたがないし」
祥子は下を向く。
缶コーヒーを開ける、流音寺。
流音寺「でも、それは長谷川だけのせいじゃない、俺も含めたチームの問題だ。だから、お前が1人で責任を感じることはない。次はもっと品質を上げればいいだけだから」
祥子「流音寺さん……」
流音寺「でも失敗は反省しろよ、でも、それで終わりだ。後悔はしてもしょうがない、反省して次に活かせ、な?」
祥子は力強くうなずく。
流音寺「OK」
流音寺はすでに開けた缶コーヒーを振る、中からコーヒーが飛び出て流音寺のスーツにかかる。
流音寺「わ、まじかよ」
祥子は笑う。
祥子「何やってるんですか、流音寺さん」
流音寺は笑いつつも困った顔。

○流音寺家・玄関・内
流音寺和歌子(37)が立っている。
T「流音寺さんの妻 和歌子さん」
和歌子「とても良い夫でした。結婚してずいぶん経つのに私への気遣いを忘れることもないですし。あっ、たまに、いい歳して子供みたいなサプライズを用意してくれたり……」
和歌子は思い出し、辛そうに微笑む。

○(回想)同・洗面所
和歌子がカゴにはいった衣服を1つ1つポケットの中などを確認してから、洗濯機にいれている。
ジーンズのポケットの中から折りたたまれた紙がでてくる。
和歌子「何かしら」
紙を広げる。
紙には『いつも、ありがとう。和歌子なら』で始まるメッセージ。
流音寺の声「いつも、ありがとう。和歌子なら気がつくって思っていた。和歌子は理想の妻だ。これらかもよろしく。清彦」
微笑む和歌子、何かに気がつく。
手紙の最後に変な顔の謎のキャラクターシールが張ってある。
和歌子「(噴出して)なによ、これ」

○TV画面・報道番組
UFOと流音寺の写真。
テロップで『人類初宇宙人と同盟へ 流音寺さんが宇宙人らを説得か』

○オフィス・役員室
立派なデスクに立花が座っている。
T「流音寺さんの上司 立花進さん」
立花「いやあ、仕事できるとは思っていましたが、まさか侵略に来ていた宇宙人を説得しちゃうとは。いやーまさかね、いやー、さすがとしか言えないです。あれ、こうなると、もう会社には戻ってこれないのかな」

○オフィス・フロア
祥子が自分のデスクに座っている。
T「流音寺さん同僚 長谷川祥子さん」
祥子「スケールが大きすぎてもう何がなんだか。え? ノーベル平和賞の候補にもなっているんですか? ああ、まあ、宇宙人の侵略止めたんですもんね。理想の上司どころじゃないですね。あっ、流音寺さんと一緒に働いていたこと、自慢しちゃおう」
いたずらっぽい笑顔の祥子。

○流音寺家・玄関・内
和歌子が立っている。
T「流音寺さんの妻 和歌子さん」
和歌子「ええ、昨日、本人からも連絡がありました。なんでも、アメリカとの交渉の仲介をしているみたいで、もうちょっと帰れないと言っていました。え? ああ、はい、少し寂しいですけど、無事ってわかりましたし、大切な仕事ですからね」

○UFO・内
灰色のタコのような外見のイータンジ(20代)がソファに腰掛けている。
T「宇宙人広報 イータンジさん」
イータンジ「わしらはお察しの通り、この星を殖民星にしようとやってきました。成功率を上げるためにも、侵略開始する前に、この星のことを知っておこうと、まあ、地球人をね、誘拐したんです。あ、そうです、それが流音寺さんです」
イータンジはタバコを口にくわえて、ライターで火をつける。
吐き出された白い煙が揺れる。
イータンジ「気がついたら、徐々に、みんなと仲良くなってね、侵略よりも同盟のほうが良いなんて、提案もしてくれて……。まあ、それはそうかなってなったのが今ですね。あ、大貧民とかできます? 流音寺さんが教えてくれたんですけど、もう流行っちゃって、流行っちゃって。まあ、流音寺さん自体は大貧民、弱いんですけどね」
笑うイータンジ。

○ホワイトハウス・会見場
大統領(70)がマイクの前に立っている。
多くの記者に囲まれている。
大統領「(英語で)今日はアメリカにとって、いや世界にとって記念すべき1日になるだろう。我々は地球外の遥か宇宙の民と同盟を結ぶ。まずは、その交渉役を担ってくれた偉大なる日本人を呼ぼう」
大統領が横を向く。
大統領「(英語で)ミスター流音寺!!」
革靴の足音が鳴り響く。
フラッシュと歓声。
入ってくる流音寺の足が見える。